海洋化学汚染:The Invisible Wave陸地、大気、河川、流域における化学汚染は何十年にもわたって持続的な問題であり、時には決定的な対策が講じられることもありました。しかし、化学汚染の深刻さが明らかになってきたのはごく最近のことです。2022年にBack to Blueによって発表された『The Invisible Wave(見えざる波)』は、海洋化学汚染の問題を政策立案者、政府、化学産業、より広範なビジネス界、金融セクター、市民社会、そして消費者に向けて提起しました。現在では、『A Global Ocean Free of the Harmful Impacts of Pollution: A Roadmap for Action(汚染の有害な影響から解放された世界の海:行動のためのロードマップ)』が、それに対処するための道筋を示しています。
人工化学物質と無縁な生活が可能かどうかを考えたことはあるだろうか?その実現は想像よりも難しいかもしれない。International Council of Chemical Associations[国際化学工業協会協議会]の調べによると、世界に流通する製品の95%は原材料として、あるいはその製造過程で化学物質を使用している。化学物質を含まない製品1つにつき、化学物質を含む製品が99個作られている計算だ。
著名な経営学者 ピーター・ドラッカーは、「測定できないものは管理できない」という名言を残している。ビジネスの世界で広く知られるこの言葉は、海洋化学汚染の問題にも重要な示唆をもたらすものだ。
2024年までに「プラスチックごみ国際協定」を制定するためには、循環型経済への移行における化学物質の役割を精査する必要がある
“夢のような夏休み”と聞いて、多くの人はきらめく太陽と白い砂浜が広がる青い海を思い浮かべるだろう。しかし現実の世界では、捨てられたペットボトルがせっかくの光景を台無しにしていることも珍しくない。そして透き通った水が、化学物質によって汚染されている恐れもある。
科学者は、海洋環境とそこに生息する野生生物、そして人体に化学物質が及ぼす影響は、現在知られているよりもはるかに深刻だと考えている。2020 年に発表されたある研究によると、製品・使用対象として登録済みの化学物質・化合物は、これまでの推計よりも3倍多い35万種類。そして企業による極秘扱い、あるいは曖昧な記述によって詳細が不明な化学物質も、約12万種類に上るという。
ある著名な研究によると、海洋化学汚染の約80%は陸上由来の物質を原因とするもので、海洋由来の物質はわずか20%にとどまっている。淡水環境において特に重要な汚染経路(直接的・間接的)となっているのは、河川・湖沼などだ。
エコノミスト・インパクトのワールド・オーシャン・イニシアティブは、健全で、活力ある経済力のある海洋を理想としています。年間を通じて、旗艦イベントであるワールド・オーシャン・サミットを開催し、海が直面する最大の課題についてグローバルな対話を促進し、持続可能な海洋経済を構築するための大胆な発想、新しいパートナーシップ、最も効果的な行動へと機運を高めます。
2030年の持続可能な開発目標の達成まで10年を切った今、グローバル・システムを検証し、人間の願望とそれを支える地球の能力とのバランスを取ることが改めて求められています。そこで、エコノミスト・インパクトは、洞察、イノベーション、影響力を組み合わせたコンテンツ・プラットフォームとコミュニティ・ハブとなる「サステナビリティ・プロジェクト」を立ち上げました。その目的は、真の変化をもたらす力を持つグローバルなステークホルダーを招集し、巻き込むことです。
皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。編集やメディア関連のご要望があれば、メディアチームのメンバーが折り返しご連絡いたします。
Back to Blueは、海洋が直面する緊急課題に対して、エビデンスに基づいたアプローチと解決策を探り、海洋の健全性を回復し、持続可能性を促進します。Back to BlueとEconomist Impactの最新ニュース、研究、イベント情報をお届けする月刊Back to Blueニュースレターにご登録ください。
エコノミスト・グループはグローバルな組織であり、世界中で厳格なプライバシー・ポリシーを運用しています。当社のプライバシーポリシーはこちらをご覧ください。
Back to Blueにご興味をお持ちいただきありがとうございます。
Back to Blueのロードマップの共同設計をご希望の方、またはコンテンツ、イベント、記事、メディア関連へのご意見は、以下のフォームにご記入ください。ありがとうございました。