海洋化学汚染:The Invisible Wave土壌、大気、河川やその流域の化学物質汚染問題は何十年にもわたり悪化の一途をたどり続けている中、最近になってようやく化学物質汚染の規模が明らかになりました。Invisible Waveは、エコノミスト・インパクトと日本財団によるBack to Blueイニシアティブの一環として、政策立案者、政府、当事者である化学産業、幅広いビジネス界や金融セクター、市民社会や消費者といった幅広いオーディエンスに海洋化学汚染の問題提起をしています。
化学汚染は世界的脅威です。ヨーロッパでは、汚染が「問題」レベルとされており、バルト海で96%、黒海で91%、地中海で87%、北東大西洋で75%の海洋生態系が被害を受けているという証拠を示しています。
幅広い専門家から成るステークホルダーによる協議を経て作成された報告書は、海洋汚染データのギャップ解消に効果的かつ実行可能なロードマップ策定に向けて取り組むべき重要な問題点の検討を行っている。
海洋汚染ゼロの実現の鍵を握るのは、政策担当者・ビジネスリーダー・投資家と十分な科学的エビデンスを共有し、汚染の規模・深刻度・影響を明らかにすることだ。短いディスカッション・ペーパーをダウンロードして、「勧告」をお読みください。
人工化学物質と無縁な生活が可能かどうかを考えたことはあるだろうか?その実現は想像よりも難しいかもしれない。International Council of Chemical Associations[国際化学工業協会協議会]の調べによると、世界に流通する製品の95%は原材料として、あるいはその製造過程で化学物質を使用している。化学物質を含まない製品1つにつき、化学物質を含む製品が99個作られている計算だ。
著名な経営学者 ピーター・ドラッカーは、「測定できないものは管理できない」という名言を残している。ビジネスの世界で広く知られるこの言葉は、海洋化学汚染の問題にも重要な示唆をもたらすものだ。
2024年までに「プラスチックごみ国際協定」を制定するためには、循環型経済への移行における化学物質の役割を精査する必要がある
“夢のような夏休み”と聞いて、多くの人はきらめく太陽と白い砂浜が広がる青い海を思い浮かべるだろう。しかし現実の世界では、捨てられたペットボトルがせっかくの光景を台無しにしていることも珍しくない。そして透き通った水が、化学物質によって汚染されている恐れもある。
科学者は、海洋環境とそこに生息する野生生物、そして人体に化学物質が及ぼす影響は、現在知られているよりもはるかに深刻だと考えている。2020 年に発表されたある研究によると、製品・使用対象として登録済みの化学物質・化合物は、これまでの推計よりも3倍多い35万種類。そして企業による極秘扱い、あるいは曖昧な記述によって詳細が不明な化学物質も、約12万種類に上るという。
ある著名な研究によると、海洋化学汚染の約80%は陸上由来の物質を原因とするもので、海洋由来の物質はわずか20%にとどまっている。淡水環境において特に重要な汚染経路(直接的・間接的)となっているのは、河川・湖沼などだ。
エコノミスト・インパクトのワールド・オーシャン・イニシアティブは、健全で、活力ある経済力のある海洋を理想としています。年間を通じて、旗艦イベントであるワールド・オーシャン・サミットを開催し、海が直面する最大の課題についてグローバルな対話を促進し、持続可能な海洋経済を構築するための大胆な発想、新しいパートナーシップ、最も効果的な行動へと機運を高めます。
2030年の持続可能な開発目標の達成まで10年を切った今、グローバル・システムを検証し、人間の願望とそれを支える地球の能力とのバランスを取ることが改めて求められています。そこで、エコノミスト・インパクトは、洞察、イノベーション、影響力を組み合わせたコンテンツ・プラットフォームとコミュニティ・ハブとなる「サステナビリティ・プロジェクト」を立ち上げました。その目的は、真の変化をもたらす力を持つグローバルなステークホルダーを招集し、巻き込むことです。
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