エジプトは、その全土及びナイル川流域や紅海・地中海沿岸部などの水域においても、深刻なプラスチック汚染に直面している。例えば世界自然保護基金(WWF)の推計によると、エジプトは地中海沿岸部に毎年流出する約280 万トンの廃プラスチックのうち43%を占めており、同海域最大の汚染国となっている。また都市部・観光地では、ペットボトル・ビニール袋など使用済みプラスチックの不法投棄も横行している。こうした現状の大きな背景となっているのは、プラスチック管理体制の機能不全だ。
中央政府(特に環境省)や一部自治体(ムハーファザ*)は課題を十分認識しており、重要政策の立案や体制強化に向けた企業・市民セクターの関与拡大など、事態打開に向けた様々な方策を近年打ち出している。しかし『Plastics Management Index』(プラスチック管理指数= PMI)のその他対象国と比べ、エジプトの取り組み開始が大きく遅れたのは事実だ。その結果、重要政策の不在や管理インフラの不備といった課題がより顕著に現れている。また国際機関や環境NGO など、技術・資金支援を担う組織の関与が進んでいない点も、総合ランキング22 位という結果につながった。
(PMI の詳細については2021 年10 月に発表された『Plastics Management Index:プラスチックの効果的管理と持続可能な利用に向けたビジョン』を参照。)
PMI は世界25 カ国を対象としてプラスチック管理の取り組みを比較する試みで、『ガバナンス』・『管理・運営能力』・『ステークホルダーの関与』という三つのカテゴリーにまたがる様々な指標を元に各国のスコア・ランキングを算出している。エジプトに関する主要な論点は以下の通り:
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ザ・エコノミスト・グループと日本財団のイニシアティブ、Back to Blueは海洋課題への取り組みにあたって、科学・エビデンスを活用することの重要性を分かち合い、サステナビリティの推進と海洋環境の保全にむけたソリューションを模索したいと考えています。イニシアティブが取り組む最初の重点課題は「汚染」です。